色々な国に行った際の決済手段、または留学する子供の送金手段として、海外プリペイドカード・デビットカードが注目されています。今は多くの会社から海外プリペイドカード・デビットカードが発行されていますが、今回は、それらのメリット・デメリットを紹介するとともに、主要カードを比較したいと思います。



海外プリペイドカード・デビットカードのメリット

決済手段や送金手段としてだけではなく、海外プリペイドカード・デビットカードには以下のようなメリットもあります。

クレジットカードが作れない人でも保有できて海外旅行で使える

海外プリペイドカード・デビットカードは、クレジットカードを持てない18歳以下でも申し込むことが可能です。「キャッシュパスポート」に至っては年齢制限が一切ありませんので、小学生でも申し込めます。

また、海外プリペイドカード・デビットカードには審査がありませんので、延滞などでブラックリスト入りしている人、信用情報が不安な方でも問題なく申し込めるのです。

自分で利用限度額をコントロールできる

海外プリペイドカード・デビットカードは自分で利用限度額をある程度コントロールできるのが、大きなメリットです。

キャッシングも多くできて利便性が向上

1回・1日・1か月の利用限度額はあるものの、海外プリペイドカード・デビットカードは、比較的余裕のある限度額です。チャージ額または口座の残高の範囲内で利用可能で、キャッシング専用の枠が設定されていません。さらに、海外プリペイドカード・デビットカードは借金ではないので金利も発生しません。

使い過ぎを防げる

海外プリペイドカード・デビットカードのチャージ額(または口座残高)をある程度少なくしておけば、それ以上は基本的に使えませんので、使い過ぎを防ぐ効果があります。

不正利用による被害額を少なくできる

海外プリペイドカード・デビットカードも、不正利用の被害にある可能性はゼロではありません。いずれもカードの利用停止が可能で不正利用の補償がありますが、補償の対象外となる場合もあります。海外プリペイドカード・デビットカードは自分で限度額をコントロールできますので、チャージ額(または口座残高)を少なくしておけば、補償の対象外となっても被害額を少なくできます。

海外送金手段としても使える

一部の海外プリペイドカード・デビットカードは、海外送金手段としても使えます。カードと紐づけになっている口座にお金を振り込めば、限度額に反映されます。「現地でお金を使いすぎてお金が足りない」「お子さんのお金の使い過ぎが心配」という場合に便利です。

海外プリペイドカード・デビットカードのデメリット

これまでメリットばかりを紹介してきましたが、海外プリペイドカード・デビットカードにはデメリットもあります。

使えないお店・サービスがある

クレジットカードでは海外でも問題なく利用可能な以下のお店・サービスも、海外プリペイドカード・デビットカードでは利用できない可能性が高いです。

  • ホテル
  • レンタカー
  • 高速道路
  • ガソリンスタンド
  • 機内販売・船内販売

特に、レンタカーを使った海外旅行を検討している人は、クレジットカードが必須です。

クレヒスが貯まらない

クレジットカードは使っているうちに「クレヒス」(利用履歴)が貯まっていきます。クレヒスは信用情報に記録されており、ハイグレードなクレジットカードの申込や他のローン利用の審査の際にも、重要な情報です。しかし、海外プリペイドカード・デビットカードを使ってもクレヒスが貯まらないので、将来のローン審査の際に役に立ちません。

事前にお金を用意する必要がある

クレジットカードは借金のようなものですので、今お金が無くても限度額の範囲内で利用できます。一方、海外プリペイドカードにチャージをするためにお金を準備する必要があり、デビットカードを利用するためには事前に口座残高を増やしておく必要があります。



人気の海外プリペイドカード・デビットカードを比較

ここまで、海外プリペイドカード・デビットカードのメリット・デメリットを紹介してきましたが、多くの会社からカードが発行されています。今回は、中でも人気の海外プリペイドカード「マネパカード」「キャッシュパスポート」「ネオマネー」、デビットカード「ソニーバンクウォレット」を様々な観点から比較しようと思います。

為替レート・手数料で比較

為替レートは「ソニーバンクウォレット」が最もお得

海外プリペイドカード・デビットカードは独自の為替レートを設定しており、レートが良ければそれだけお得となります。為替レートはどうなのか、まず比較してみましょう(2018年9月3日現在、ネオマネーのみ2018年7月19日現在)。

  マネパカード キャッシュパスポート ネオマネー ソニーバンクウォレット
1米ドル 111.958円 113.43円 112.98円 111.33円
1ユーロ 129.891円 133.47円 131.55円 129.06円
1英ポンド 144.970円 151.74円 147.98円 144.15円
1豪ドル 80.560円 87.54円 83.40円 80.35円

レートのよい順番に、以下のようになります。

  1. ソニーバンクウォレット
  2. マネパカード
  3. ネオマネー
  4. キャッシュパスポート

海外ショッピング・キャッシングの手数料は「マネパカード」「ソニーバンクウォレット」がお得

ただし、海外ショッピング・キャッシングには手数料がかかります。クレジットカードの場合、ショッピング利用額の1.6%~1.63%の海外事務手数料がかかります。また、キャッシングの際には年18%程度の金利、200円程度/回のATM手数料も発生します。海外プリペイドカード・デビットカードは借金ではないので金利は発生しませんが、海外事務手数料、ATM手数料などが発生する可能性がありますので、比較しましょう。

  マネパカード キャッシュパスポート ネオマネー ソニーバンクウォレット
チャージ手数料 無料 チャージ額の1% 無料
ショッピング
海外事務手数料
無料 無料 利用額の4% 1.76%の場合も
未チャージ外貨での
ショッピング
利用額の3% 利用額の4%
キャッシング
海外事務手数料
無料 無料 利用額の4% 1.76%
ATM手数料 200円相当/回 200円相当/回 200円/回 216円/回の場合も
未チャージ通貨での
キャッシング
利用額の3% 利用額の4%

マネパカードは、チャージできない通貨の国でショッピングをする場合は利用額の3%の手数料が、ATM手数料として200円/回がかかりますが、マネパカードは基本的に手数料が少ないです。

キャッシュパスポートも、チャージできない通貨の国でショッピングをする場合は4%の手数料がかかりますが、チャージで1%の手数料がかかる点が異なります。ATM手数料も200円/回がかかります。

ネオマネーは通貨に関係なく4%の海外事務手数料と200円/回のATM手数料が発生します。

ソニーバンクウォレットは対象10通貨の口座未開設、対象10通貨以外でのショッピング、そして口座開設の有無や利用国にかかわらず海外キャッシングの場合は、利用額の1.76%の海外事務手数料が発生します。対象10通貨で口座開設してあるものの残高不足の場合、1通貨当たり0.09円~0.45円の為替コストを負担しなければなりません。対象10通貨の外貨口座を開設してその口座からキャッシングすれば、216円のATM手数料はかかりません。

使いやすさで比較

次に、使いやすさで4枚のカードを比較してみましょう。

  マネパカード キャッシュパスポート ネオマネー ソニーバンクウォレット
スペアカード × × ×
日本からの送金 ×
国内利用 ×
銀聯カード × × ×
利用までの手間 ×
不足の際のアシスト 米ドル口座から 日本円口座から 日本円口座から

メインカードに不測の事態があっても大丈夫なスペアカードに対応しているのは、キャッシュパスポートのみです。

日本からの送金についてですが、キャッシュパスポートとネオマネーは家族の委任状を提出することによって、家族からの送金が可能です。ソニーバンクウォレットは、家族以外の第三者であっても、ソニー銀行口座に入金すれば海外送金ができます。

ネオマネー(国内・海外利用のVISAカードのみ)とマネパカードは、国内でのショッピングが可能です。ソニーバンクウォレットは、国内でのショッピングに加えて、銀行口座からの預金引き出しもできます。

中国旅行に便利な銀聯カードを発行しているのは、ネオマネーのみです。

マネパカードは、「振込→両替→チャージ」の3ステップが必要で、キャッシュパスポートやソニーバンクウォレットも通貨ごとに用意された口座に振り込まないといけません。ネオマネーは通貨共通の口座に振り込めばOKです。

おすすめの海外プリペイドカード・デビットカードを紹介

海外プリペイドカード・デビットカードはそれぞれに特徴があり、一概にどれがベストとは言い切れません。しかし、以下の2枚は個人的におすすめです。

お得になりたい人は「マネパカード」

お得を重視する人は、「マネパカード」がおすすめです。為替レートもかなり良く、ショッピング・キャッシングの手数料も未チャージ通貨での利用とATM利用以外ではかかりません。さらに、マネーパートナーズのFX口座があれば、FX口座内の外貨を直接マネパカードに手数料無料でチャージ可能です。国内ショッピングではキャッシュバックもあります。

使いやすさ重視ならば「ソニーバンクウォレット」

使いやすさを重視する人は、「ソニーバンクウォレット」がおすすめです。普段使いとしても十分なデビットカードですので、海外でもいつものように使っていただけます。お金が不足した際も、特別な手続きなく第三者にお金を振り込んでもらうことができます。使いやすさだけでなく、お得度でもマネパカードと肩を並べます。

海外プリペイドカード・デビットカードはその特徴をよく比較しよう

海外プリペイドカード・デビットカードには、自分で限度額をコントロールできる、持つまでのハードルが低い、海外送金手段としても使えるメリットがある一方で、使えない店やサービスがある、クレヒスが貯まらない、事前にお金を用意する必要があるなどのデメリットもあります。

カードの種類によって、手数料や使い勝手も大きく異なりますので、それぞれのカードの特徴を把握した上で、クレジットカードも含めて検討してください。